慶応義塾大学日吉寄宿舎とは、独立自尊の精神を持った慶應の47名が集う学生自治寮です。自治活動とは舎生一人一人が寮の運営に携わり、寮のことを深く考え、寮を引っ張っていくことを意味します。ここでは実際に寄宿舎で行われている自治活動の詳細についてわかりやすく説明します。

自治活動の意義

舎内で47名の人間が同時に暮らすためにはやらなければならない仕事や守らなければならないルールがあります。一人暮らしや実家暮らしのように自分本位の生活をしていては他の舎生の迷惑になり、寄宿舎の運営が立ちいかなくなる可能性があるからです。そのため、ルールの決定や、仕事の割り振り、決められたことを守らなかった場合の対処決め等を自分たちで行います。これこそが自治活動なのです。またもう一つの論点として、世代を超えた濃密な人間関係をどのようにして繋いでいくか、についても舎生で多くの議論を交わします。こうした議論の中で寄宿舎について、舎生について深く考えていくことも自治活動の一環と言えるでしょう。

役職について

自治活動の根底に自治委員会というものが存在します。委員会の構成としては右記のような図になっており、3年生が五役として寄宿舎の委員会運営代を務め、その下で1,2年生が下六役として各仕事をこなしていきます。各役職にそれぞれのやりがいがあるので下記で紹介します。

五役

五役は寄宿舎の運営代として
3 年生が務め、大きな権限と責任を持ち、
寄宿舎を引っ張っていく存在である。

  • 委員長 ・・・委員会の意思決定全体のトップとして、全体を統括する。
  • 副委員長・・・委員長の補助役として、委員会方針案等を作成する。
  • 風紀  ・・・舎内のルール配備、モラルの徹底を主に取り扱う。
  • 財務  ・・・寄宿舎での金銭の動きをすべて取りまとめる。
  • 総務  ・・・入寮面接や委員会準備などの実務を行う。
  • 監査  ・・・下六役の責任者となって監査を行う。

下六役

下六役は与えられた各職務を全うする義務を負う。基本的に2 年生が上司と
して指示を出し、 1 年生は部下として仕事を行う。

  • 会計  ・・・全寮生の寄宿舎費を集金し、学生部とやり取りを行う。
  • 渉外  ・・・寄宿舎の行事の運営全般を任されている。
  • 文化  ・・・寄宿舎内の備品補充や機器故障対応などを行う。
  • 炊事会計・・・寮食関係の集金や、大学生協との交渉を行う。
  • DNA  ・・・寮の ( Dormitory)ネットの (Network) 団体 (Association)
  • 出版広報・・・寮内新聞・文集の発行や広報活動を担う。

意思決定について

寄宿舎では年に 5 回ほど舎生大会というものがあり、これは舎内の最高意思決定機関になります。 これからの寄宿舎の方針を通す厳粛な場であり、舎生全員の多数決によって評議がとられます。一か月前から準備が始められ、一週間前には意見出し、 3 日前には資料配布が行われます。また、そのほかに月 1 回の委員会が存在します 。委員会では各舎生が意見を出し合い、具体的な仕事の内容を決め、それを委員会メンバーで割り振ります。また、加えて月一回役職会議というものが存在し 、役職内で集まって、仕事の進捗を確認し、今後の活動の方針を決めていく会議があります 。

上下関係について

日吉寄宿舎では、前記の通り自治活動が存在します。自治活動の運営を盤石なものとするために 寄宿舎では上下関係が存在しています 。下級生は正しい礼儀をもって上級生に接し、上級生はその分の責任感をもって下級生と接します。それは、 互いに愛情を持った関係であり、世代を超えた信頼関係の礎となるものだと考えています 。他のサークルやバイト等とは違い、明確な敬語や挨拶等の礼儀が存在し、それを守ってもらう義務が生じますが、この経験を通してより深い人間関係が築けることでしょう。

新入生歓迎期間について

新入生歓迎期間は新入生に寄宿舎の文化を知ってもらう期間です。 2 週間の間、新入生一人一人に担当者が付き、寄宿舎での文化、ルール、礼儀等を教えていきます。また、この期間には部屋回りというものがあり、現寄宿舎生全員と一対一での対談があります。ここで自己紹介を行い、また上級生がどのような人であるのか知ることになります。大学に入ったばかりの新入生には時間的拘束と、今までの生活とのギャップがあり、厳しい期間となりますが、 これを乗り越えることで真の舎生となれます 。この経験があるからこそ一気に同期や先輩方との距離が縮まり、寄宿舎とはどういうところなのかを知ることができるのです。